医療現場におけるマネジヤーの果たすべき役割
現代医学の発達は、概して、ますます臓器別に細分化、専門化された研究の方向にある。大学病院の治療や研究機関の研究開発がその傾向に基づくものである。大学病院の診療科では、教授や助教授等がそれぞれ専門を異にすることによって患者のニーズに対応している。また、若い医師が将来進むべき方向として、専門を極めたいと思うのは当然で、専門医の認定制度もその傾向に拍車をかけている。
米国には、総合臨床医の制度があるが、わが国における医学の土壌が保険点数の制度上の問題もあり、専門を目指す医師の育成ができるのか、疑問視する指摘もあった。
厚労省では、総合臨床医の育成を強く求め、防医大は設立当初からその意に沿って総合診療医の育成を目的にスタートした。しかしそのような診療科は、単なる振り分け外来で終わるのではないかとの疑問もあった。その後防医大には、総合臨床内科ができ、米国で総合臨床医の研修を受けた医師が指導に当たっているとのことである。
しかし最近、従来の考え方でよいのだろうかと思うようになった。休日に具合が悪くなり、病院に行って当直医の診療を受けると、専門外の医師で適切でない投薬を受ける場合がある。また、診断が確定せずに診療科をたらいまわしにされ、取り返しのつかない事故や治療が遅れる場合もある。これらの場合は初期診断の問題であるが、治療についても、ひとつの臓器だけの問題ではすまない場合が多い。そもそも人間の身体は総合的なもので、ひとつの臓器が悪いと思っても、目に見えないところで他の臓器が関連している場合もある。ストレスが胃を悪くする場合もあれば、心理的ショックで死に至ることもある。病気の原因とその回復には心理手的側面も重要である。
ある外科医が「手術の方法は、日進月歩の発展を遂げているが、病を治すのは本人の治癒能力ですよ」と言われたのが耳に強く残っている。この言葉こそ人間を総合的に捉えることの重要性を物語るものである。
総合というと、各科の協力が診断、治療に望ましいことは言うまでもない。
学問が専門に分化していくことは当然の方向で、学際的協力の必要性が叫ばれて久しい。専門分化と総合化の双方が必要で、そのためには診療か相互の協力が必要である。国立大学の独立法人化が進む中で、従来の組織のあり方や考え方の深刻な問題を意識し、診療科相互の協力体制を確立した病院もある。独立法人化が好ましい影響を生み出した一例である。
診療科相互の協力で大切なことは、マネージャーの存在である。数人であってもチーム医療を推進する場合、リーダーシップを発揮できるマネジャーが必要不可欠の条件である。医療過誤やとんでもない医療事故の発生の場合もリーダーシップを発揮できるマネジャーの不在が原因となっているケースも多い。
したがって、それぞれの医療現場でその役割を果たすためには、リスク・マネジメントの考え方や実践的技法の習得がマネジャーに問われる課題である。
| 初代会長 | 吉川 義弘 | 経済学博士 | 1980年3月-1984年5月 |
|---|---|---|---|
| 第二代会長 | 磯村 光男 | 元東京都副知事 | 1984年5月-1985年11月 |
| 第三代会長 | 高橋 賞 | 関東学院大学教授・前学長 | 1985年11月-1986年6月 |
| 第四代会長 | 高松 和男 | 創価大学学長 | 1986年7月-1989年8月 |
| 第五代会長 | 師岡 孝次 | 東海大学教授 | 1989年9月-2005年10月 |
| 第六代会長 | 関 肇 | 虎ノ門戦略研究所理事長 | 2005年11月- |
日本経営危険管理士(リスク・マネジャー)会
会長
虎ノ門戦略研究所理事長 元防衛医科大学校副校長 第七代 関 肇
会員資格
本会は日本リスク・マネジメント協会におけるリスク・マネジャー養成講座の正規の課程を終了し経営危険管理士(リスク・マネジャー)の認定を受けた者。
会の目的
本会は、事業運営上の危険(リスク)を未然に察知し、的確なリスク・マネジメントの実践を行い、企業の発展、事業の成長に寄与する人材(リスク・マネジャー)育成と地位の向上、会員相互の親睦を深めプロェッショナズムを確立し、リスク・マネジメント思想の普及推進を図ることを目的とする。
会の活動
- リスク・フォーラム、各種セミナーの開催
- 医療事故事例研究会
- リスク・マネジメントガイドライン専門委員会
- メリカルリスク・マネジメントマニュアル作成研究会
- 全国リスク・マネジャー年次大会の開催
- 国際会議、研修、視察旅行
- リスク・マネジメントビジネススクール開校
